ごあいさつ




 「『黒い十人の女』効果」とでも言おうか、ロック・バンド、ピチカート・ファイヴのリーダー小西康陽氏の推薦で、昨年秋リヴァイヴァル上映された昭和36年の大映作品『黒い十人の女』を観た大学生やOLの方から「古い邦画をもっと観たい!」というメールを沢山いただきました。中には「モノクロの邦画をスクリーンで観たのは『黒い十人の...』が初めてでした」という方もいらしたりして。

 熱狂的邦画ファンの私としては、そうした邦画への関心を嬉しいと思う反面、正直「ちょっと困ったな」とも思いました。あの『黒い十人の女』を日本映画の傑作、代表作であると思われては非常に困る。勿論私も観ました。確かに面白い作品だとは思うけれど、かなりの変化球。日本映画の本当の実力はハッキリ言ってあんなものではないのだ!

 というわけで、20代の方々を対象とした、いわばミニシアター世代のための日本映画超入門編です。あまりに初歩的ゆえ、ご年配の諸先輩方にはご不満もおありかと思いますが、「若人のための企画」ということで何卒ご容赦の程を。
 また「マニアックな作品」は除外しました。どうもインターネットの邦画ページ、喜劇だ特撮だとマニアック路線に走る傾向がある。(本当の事を言うと、私自身は徹底的な娯楽映画や知る人ぞ知る的な意欲作の大ファンで、そうした作品を浴びるように観ているのですが、今回は、敢えて)ここでは徹底的に正統派、必見の名画ばかりです。

 さてまず第一回は日本映画が最も輝いていた頃、昭和20〜30年代の「戦後黄金期」にスポットを当てました。前半は日本を代表する二大監督の徹底研究、後半は是非ご覧いただきたい11監督の12作品をご紹介致します。以降、'80年代のニューウェイヴ監督編、'70年代の意欲作編なども予定しております。乞う御期待。

 それではごゆっくりお楽しみ下さい。見方は二通り、すぐ下の「つづく」テロップをクリックすると1ページずつ進みます。お時間のある方はこちらで。その下の番組表の「上映中」サインをクリックすると該当作品にダイレクトにアクセス出来ます。お急ぎの方はこちらでどうぞ。


平成10年7月5日

定成 寛 hiroshi@sadanari.com










まずは日本が誇る世界的巨匠
黒澤明の世界をご堪能下さい








[ 番 組 表 ]


名画つぶ揃い魅惑のラインナップ




[第一部] 巨匠と名匠

1-1.巨匠・黒澤明の世界 黒澤に狂え!
1-2.『七人の侍』 (昭和29年・東宝)世界中を魅了した名画中の名画
1-3.『用心棒』 (昭和36年・東宝)面白すぎて涙が出た!
1-4.『天国と地獄』 (昭和38年・東宝)黒澤現代物の最高峰
1-5.『酔いどれ天使』 (昭和23年・東宝)女性に観て欲しい男の物語
1-6.『野良犬』 (昭和24年・東宝)クライム・サスペンスの元祖
1-7.その他の作品 『どですかでん』、『生きものの記録』ほか

2-1.名匠・小津安二郎の世界 小津安二郎を讃える
2-2.『東京物語』 (昭和28年・松竹)家族の物語の集大成
2-3.『晩春』 (昭和24年・松竹)今敢えて観る父と娘の物語
2-4.『彼岸花』 (昭和33年・松竹)小津調カラーの素晴らしき世界
2-5.『秋刀魚の味』 (昭和37年・松竹)本当に穏やかな遺作
2-6.その他の作品 『一人息子』、『風の中の牝鷄』ほか
2-7.小津を知る作品  『東京画』、『恋人たちの食卓』ほか

[第二部] 更なる偉才たち

1.『幕末太陽傳』 (昭和32年・日活)川島雄三の鬼才
2.『豚と軍艦』 (昭和35年・日活)今村昌平の苦悩と奔放
3.『カルメン故郷に帰る』 (昭和26年・松竹)木下恵介の慕情と爆笑
4.『ここに泉あり』 (昭和30年・中央映画)今井正の感動
5.『雨月物語』 (昭和28年・大映)溝口健二の幽玄
6.『浮雲』 (昭和30年・東宝)成瀬巳喜男の冷徹
7.『キューポラのある街』 (昭和37年・日活)浦山桐郎の誠実
8.『また逢う日まで』 (昭和25年・東宝)今井正の抵抗(レジスタンス)
9.『青春残酷物語』(昭和35年・松竹)大島渚の革新
10.『砂の女』 (昭和39年・勅使河原プロ)勅使河原宏の芸術
11.『裸の島』 (昭和35年・近代映画協会)新藤兼人の実験
12.『馬鹿が戦車でやって来る』 (昭和39年・松竹)山田洋次の前衛

[第三部] 逐次更新の情報ページ  最終更新日 平成12年2月13日

日本映画を観る5つの方法、厳選日本映画リンク、ほか



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