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98/02/15
第四回
入魂企画
はじめてのJAZZ
世界一わかりやすいジャズ入門
楽器特集第一弾
バリトン・サックス魅惑のせかい



■ バリトン紳士録・おすすめCDご紹介 ■




1.'Let me tell you about it'
(CDP 7 84087 2 Blue Note)
1961

2.'Rollin' with Leo'
(CDP 7 84095 2 Blue Note)
1961


■ レオ・パーカー (1925-1962)

 バリトンを買ってしばらく経ってからのこと、マリガンの超人的なテクニックに叩きのめされて、スランプに陥っていた。「あんなプレーとても出来ない。思い切って買っちまったけど、このあとどうすればいいんだろう...」。そんな時にこのレオ・パーカーを聴いて、ふっと解放された気がしたな。

 マリガンとは対照的なプレーをする人です。音はビリビリとひび割れ、フレーズはいつもR&B風、演奏もウマイようなヘタなようなで、結構コケたりもする。でも気持ちいいんだ。楽しさ、親しみやすさは最高。なんだか励まされるような気もして来ます。
 そんな気持ちを起こさせるのは、きっと彼が好んで採り上げたゴスペル風ナンバーのせいかもしれません。中でもに収録の「Let me tell you about it」と「Low Brown」は必聴でしょう。いずれもゴスペル・ジャズの名曲です。はもうちょっと都会的で華やかな感じ。アップの曲ではニューヨークのボウル・ルームを、スローの曲ではジャズ・クラブを確実に連想させます。この2枚は買って損のないものだと思いますよ。

 '44年にビリー・エクスタインのバンドに参加したのが彼の出発点。'50年代にはファッツ・ナヴァロやデクスター・ゴードンらと吹き込みを行うが、麻薬に溺れて引退同然となっていたそうです。'60年代に入り、カムバックして吹き込んだのがこの2枚のブルーノート盤です。ところがどうしもんだか、この翌年に心臓発作でポックリ死んでしまうんだな。「バリトン奏者はなぜか短命」という言い伝えがあるんですが(ホントに)、まずは彼がその一人目です。
 '50年代の録音の方がホットらしいんですが、現在CDで容易に手に入るのは上の2枚。しかしこれだって十分に熱い名盤です。

 「あぁ、こういう風に演ればいいのか。度胸を決めてブワっと吹いちまえばいいのか」とまさに目からウロコの思いでした。「マリガンとは...」と書きましたが、マリガンだけではないな。他のすべてのバリトン奏者とも違う、人間臭さが漂う、愛すべきプレイヤーです。



3.'Jazz Sahib'
(COCY-9033Columbia)
1957


■ サヒブ・シハブ (1925-1989)

 これは名盤です。サヒブ・シハブのはかなりの愛聴盤。なんといってもオープニングがいいんだ。このオープニングの感じを味わいたくて、ついつい手が伸びてしまうのかもしれない(笑)。ほんと「ゾク〜」っとしますよ。「1曲目だけがいいんじゃないの?」と思うでしょう。ところがところが、2曲目も凄いのだ(笑)。

 サヒブ・シハブ(ジャズメンとしてはイスラム名を使用。本名はエドマンド・グレゴリー)は、そうだなぁ、マリガンとレオ・パーカーの中間に位置するようなプレイヤーです。丁寧に緻密なフレーズを吹くこともあれば、ゴリゴリとブルース・フレーズを吹きまくることもある。
 プロ入りは早く'30年代後半のこと。フレッチャー・ヘンダーソンなどの楽団で演奏し、'50年代のディジー・ガレスピーとの共演が有名。その後はヨーロッパとアメリカの間を行ったり来たりしていました。

 本などでは「B級プレイヤー」なんて書いてあることもあるけど、そうかな?超アップ・テンポで怒濤の様なアドリブをバリトンで吹くサマはなかなかのテクニシャンだと思うけれど...。
 さらには「突出する個性にも乏しい」なんて書かれることもあるけど、これもどうだろう。彼の魅力のひとつか優れた作曲力でしょう。このアルバムに収録されている自作曲は、いずれもブルースの妖しさをたっぷりと表現、独特のムードをつくり出していて、十分に個性的だと思います。

 妖しいオープニングを経て、後半は美しいバラードなどもあり。いいアルバムだと思います。そうそう、ロック・ファンの友人達にもなぜかウケがいいんだ。きっと彼の作曲力に気が付いているんだろうな。
 「対照的」なものを持って来たかったのでレオ・パーカーを2番手にしましたが、お薦め度で言うとこの『Jazz Sahib』のほうが上ですね。コロンビアの国内盤が簡単に見つかるはずです。なお白黒写真のジャケットのライヴ盤も見掛けると思いますが、そちらは手を出さない方が得策です。きっと後悔しますよ。




4.'Patterns in jazz'
(BLP-1517 Toshiba)
1956

5.'Gil's guests'
(OJCCD-1753-2 Prestige)
1957


■ ギル・メレ (1931-)

 ギル・メレはちょっと意外なところで採り上げられていました。5年くらい前のこと、音楽コーディネーターの橋本徹氏(サバービア・スウィート)あたりが「フィンガースナッピン感覚も気持ちいい」とかなんとか言って4を褒め始めたんだ。うーん、そんなにいいかな(笑)。ギル・メレならばなんといってもだと思うんだけど。

 ちょっと薄口なと違い、は始まった瞬間に「ビシッ」と引き締めてくれる。「おお、こりゃアタリだ。いいCD買ったわい」と安心させてくれるのも嬉しいところ(笑)。独学で音楽を学んだのち、若干22歳で出演した'54年のニューポートで話題を呼び、これはその3年後、ということになりますね。
 ギルもマリガンと同じ白人バリトン奏者で、やはり編曲にこだわる人でした。でもちょっと違う。マリガンのアレンジはきわめてクラシック的な対位法に基づいたものだったけれど、ギルのそれはなんとも立体的。2つの旋律が絡み合うだけではなくて、もっと複数の楽器が...うーん、うまく言えないなぁ。「不思議な音楽だなぁ」と思っていたら、「幾何学ジャズ」なる呼ばれ方をしていると知り納得しました。

 このアルバムでもちょっとだけその雰囲気はあるんだけれど、ギルはこのあと映画音楽の道に進み、作・編曲家としてハリウッドで活動中。ちょっと前の「サバービア」よりも時代は「サダ・デラ」、をお試し下さい。今なら国内盤が町のレコード屋さんにもありますよ。




6.'Plays Charlie Mingus'
(FSR-CD 177 Fresh sound)
1963

7.'Pepper'
(ENJ-90792 enja)
1986/1996


■ ペッパー・アダムス (1930-86)

 ちょっと出番が遅くなったけど、ペッパー・アダムスもバリトン界(というのがあるのだ)では大御所の一人。少なくないアルバムの中で一番インパクトのあるのは、やはりこのかな。
 その名の通り、チャーリー・ミンガス(b)のナンバーをバリトンを中心としたアレンジに直して吹き込んだ異色作。粘っこいビートのミンガス・ナンバーをサド・ジョーンズ(tp)が緻密に編曲。こりゃ聴きモノだわい。最初はバリトンの音色に耳が向くが、聴き終わるころになるとミンガスの作曲力にも驚嘆しているという、一枚で二つの発見のあるアルバムです(笑)。数あるミンガスのナンバーから熟考して選曲がされているので、ハズレ曲なし。名盤ですよ。

 '40年代中盤から活動を始め、'47年にはライオネル・ハンプトン(vib)の楽団に参加、その後もスタン・ケントン、メイナード・ファーガソンといった大御所のバンドで演奏しています。'50年代後半に独立して、モダン・ジャズ、なかでもハード・バップといわれる豪快なスタイルでその名を轟かせました。
 「プレイだけ聴くと黒人かと思っちゃうんだよねぇ」というのは、知人のテナー奏者の言葉。なるほどこのゴリゴリ感は黒人的ですね。しかし実際は白人で、しかもラッキョウのような顔をしたメガネオヤヂだというから驚き。なるほど、ハード・バップ・バリトンとしては他の誰よりも凄いな。

 「山田五郎教授ではありません」の店頭ディスプレイにつられて、ついつい買ってしまった。失敗である。なんだぁこの演奏!アダムス本人はともかく、サイドがメロメロ、ドラムなんかほとんど素人である。面白いジャケットにまどわされて買ってしまわないように写真を載せておきます。まぁ、確かに山田五郎教授には似てるけどさ...。この他にもクインテットものなどで佳作があります。




8.

9.

10.


8.'BOB GORDON MEMORIAL'
(FSR-CD-180 Fresh sound)
1953.1954/1991
9.'MOODS IN JAZZ'
(#VSOP14/15CD VSOP)
1956
10.'ADVENTURES IN RHYTHM'
(CL604 COLUMBIA LP)
1955


■ ボブ・ゴードン (1928-1955)

 残念なことですが、私はまだゴードンの魅力に十分には巡り会っていないという気がします。私が持っているゴードンの音源は上の3つ。は最近よく見掛ける編集盤です。彼と仲の良かったジャック・モントローズ(ts)、ハービー・ハーパー(tb)との演奏を収録したもの。地味ではあるが良質の、そしてちょっとクラシカルな演奏が続きます。はつい最近まで「幻の名盤」扱いを受けていたような気もするけれど、どうだったかな?米メリーランド州のVSOPレコードなるところからのCD化再発盤ですが、いまいち掴みどころのない印象も受けますね。

 そういった意味では−またしても正統派ジャズ・ファンからは大目玉を喰いそうだけれど−10での彼が一番「ゴードンらしい」のかもしれない。ホームグラウンドであったピート・ルゴロ楽団のちょっと変わったアルバムで、大昔のLP盤です。ルゴロについては第二回「フォー・フレッシュメン」のところでご説明しましたね。私は実験とポップさを併せ持ったルゴロ・サウンドが大好きなのですが、純粋ジャズ・ファンはキワモノ扱いするかもしれないなぁ。内容はタイトルの通り、ジャズのスタンダードやルゴロのオリジナルをジャンプに始まり、ボレロ、サンバ、マンボなど様々なリズムで演奏するという、うーん、ジャズのような、ムード音楽のような(笑)。でも「ジングル・ベル・マンボ」なんて最高なんだけど...。
 ゴードンはベニー・グッドマンの曲「キング・ポーター・ストンプ」でジミー・ジュフリーとの「ほのぼのバリトン・バトル」を繰り広げています。8や9のようなコンボ・スタイルでのゴードンもいいけれど、私はルゴロ楽団の風変わりなアレンジの中で、楽しそうに吹きまくるゴードンが一番好きですね。そもそもルゴロ自身が「バリトン」という楽器−バリトン・サックスではなくテューバの親戚のような低音の金管楽器−奏者だったので、低音のアレンジにポイントがあるんですよ。その意味でも、未見の名盤『ルゴロ・マニア』が聴きたい!

 ゴードンも夭逝のバリトン奏者のひとり、'55年8月28日、そのルゴロ楽団の演奏会場に向かう途中に交通事故死しています。合掌。




11.

12.

13.

14.


11.'PATTERNS OF JAZZ' CECIL PAYNE
(COCY-9007 Columbia) 1956
12.'SCOTCH AND MILK' CECIL PAYNE
(PVCP-8115 P-Vine) 1997
13.'BLUE SERGE' SERGE CHALOFF
(TOCJ-5431 Toshiba) 1956
14.'THE JIMMY GIUFFRE 3' JIMMY GIUFFRE
(90981-2 Atlantic) 1956


 キリがないので、ちょっとまとめて。11ビ・バップ・バリトン、セシル・ペイン(1922-)の名盤。ペインは'40年代にディジー・ガレスピー(tp)の楽団に在籍、注目をされますが、ソロ奏者としては幼なじみであったというデューク・ジョーダン(p)とのコラボレーションが有名です。これもそのひとつ、というか彼らの残した「最高傑作」とまでいわれているものなのだ。
 う〜ん、いいねぇこれ。今でも演奏されることの多い、バップの定番「ディス・タイム・ザ・ドリームズ・オン・ミー」のバリトン版や、甘美なバリトン・バラードの「ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン」など、イイ、イイよこれは!フレージングには染みついてしまっているのであろうビ・バップのテイストが感じられますが、録音された時代の雰囲気もしっかり掴んで、モダンな感じもする。名盤なり!

 そして!「バリトン界」のホットな話題!実はペイン氏、齢76歳にしていまだに現役なのだ。まったく誰が思いついたのか、話題の若手テナー奏者・エリック・アレキサンダー('68年生まれ、私より下である)とのセッションが12である。録音は'96年の9月、それにしたって74歳だ。当然、ビ・バップ風のサウンドも聴かれるが、ロリンズ風のカリプソもあれば、ニュー・ジャズ風ナンバーではペインのフルートまで披露、なかなかの意欲作なのだ。一曲を除いてペインのオリジナルばかり、というのも魅力のひとつ。楽しさはそれなりに伝わってくるが、それゆえにCDのスケールではもったいないセッション。ライヴで聴きたい!

 13は雑誌『ジャズ批評』あたりでは「モダン・バリトンの最高峰」とされているサージ・チャロフ(1923-1957)の代表作。まぁ確かに巧いが、地味なプレーが続くのでかなりの上級者向けとしておきましょう。しかしバリトンのワンホーンであることと、超低音を効果的に使うことは一聴に値します。なおチャロフも夭折。脊髄マヒとガンのために30代半ばにして亡くなっています。16歳でプロ入りし、'40年代後半にウディ・ハーマン楽団での演奏で注目を集めますが、病魔に侵されて退団。このアルバムは死までの僅かな間に果たした一時的な復活期に作られたものです。短命なバリトン奏者3人目。やれやれ。

 バリトン奏者とは言い切れないのですが、映画『真夏の夜のジャズ』でお馴染みのマルチ・リード奏者、ジミー・ジュフリー(1921-)の14は文句のなしのお薦め作。何回聴いたかわかりません。あの映画のオープニング−第一回に書きましたが−を飾る名曲「ザ・トレイン・アンド・ザ・リヴァー」はここに収録されています。映画では全編テナーで演奏していましたが、一回だけ観たスタジオ・ライヴでは前半をバリトン、中間をクラリネット、後半をテナーで演奏していました。なんだって吹けちゃうんだ、この人は。3種類の楽器を抱え込んで「なんだって吹けちゃうぞー」とジャケット写真でも主張しています(笑)。
 サウンド的にはなんとも、静かなブルースです。うん、いいネ、こういうジャズも。独自のドラムレス・トリオでジム・ホールのギターがクールに響きます。「せめてブラシを」という人もいるけれど、私は完全なドラムレスこそこのアルバムの魅力だと思います。
 LP時代は超貴重盤、輸入CDが出始めてみんな飛びつきましたが、現在は国内盤CDも出ている模様。なお同じトリオ編成ですが、映画に出ていたボブ・ブルックマイヤー(バルブtb)はおらず、かわりにベースが入っています。




15.

16.

17.

18.

19.

20.


15.'Confirmation' Jack Nimitz
(FSR5006CD Fresh Sound)
1996
16.'Live at Sweet Basil'Nick Brignola
(RSRCD125 Reservoir)
1993
17.'Cubism' Ronnie Cuber
(FSR-CD188 Fresh Sound)
1992
18.'with Chet Baker' Lars Gullin
(DRCD224 Dragon)
1955/1956
19.'The Trio'John Surman
(BGOCD231 BGO)
1970
20.'...If You Have To Ask...'
Hamiet Bluiett(CD888128 Tutu)
1991


ヨーロピアン
バリトン
おふたり


ラルス・ガリン
(スウェーデン)


ジョン・サーマン
(イギリス)
 いつまで続くのか不安な方、ご安心下さい、最後のブロックです(笑)。15は超正統派バリトン、ジャック・ニミッツ(1930-)の心温まる作品。この人も色々な活動をしていますね。'50年代初頭にウディ・ハーマンやスタン・ケントンの楽団で、'60年代にはチャールス・ミンガスのビッグバンドに参加。そして'70年代にはサックス集団「スーパー・サックス」で、なんとチャーリー・パーカーのフレーズをバリトンで吹きこなし周囲をアッといわせています。
 老いてなお盛んなこのアルバム、「ブルー・モンク」や「コンファーメイション」、「ブルー・ボサ」などの定番がワン・ホーン編成できわめて「正しく」収録されており、世のバリトン奏者には最高のお手本となるのではないでしょうか。

 16ニック・ブリグノラ(1936-)はバークリー音楽院出身、巧いプレイヤーと言われていますが、じゃぁこの演奏の日(1992.8.28)は調子悪かったのかな(笑)。
 「枯葉」とか「太陽の東」とかを演ってるんで買ってみたんだけど、ミストーンも多いし、アドリブもピンと来なくて...'70年代にはジャズ・ロックに走っていた時期もあったらしい。それならばそっちのほうが聴きたいや!

 17はちょっとした掘り出し物でした。スティーヴ・ガッド(dr)、ジョージ・ベンソン(g,vo)などのグループに在籍、'70年代にフュージョン・バリトンの代表選手であったロニー・キューバ(1941-)が今は何をやっているかがわかる作品。アルトゥール・サンドバル(tp)風のラテン・ナンバーもあれば、パット・マルティーノ(g)風の軽快なニュー・ジャズもある。現役バリトン奏者では最も安定したプレイを聴かせるといったところかな。そういえば、ブルー・ノート・トウキョウの今年のカレンダーにも出ていたっけ。今を代表するバリトン奏者、なのかもしれません。

 ここで新旧ヨーロピアン・バリトンを。18はヨーロッパ最高のバリトン奏者といわれたラルス・ガリン(1928-1976)がチェット・ベイカー(tp)と共に吹き込んだもの。母国スウェーデンを中心に活動し、アメリカでの演奏経験がなかった'54年に、米雑誌『ダウン・ビート』の批評家投票で新人賞を獲得してしまったという伝説の人。スタイル的には地味なマリガンといったところか。うっかりするとマリガンの演奏と間違えることもある。このアルバムにはそのマリガンのパートナーであったチェットとのセッションが収録されています(夭折とまでは言わないが、このガリンも48歳で亡くなっていますね)。

 そして19現代ヨーロッパ最高のバリトン奏者、イギリス人ジョン・サーマンの代表作。ところがこれがフリーっぽいのだ(苦笑)。しかも2枚組。崇高なゲージュツをバリトンで創造したい方には最高のヒントとなるでしょう。私はもうちょっと下衆なのがイイですが(笑)。

 さらに崇高で、もう崇高すぎてなんだかわからないのがアメリカに戻って20。演奏しているのはハミエット・ブルーイット(1940-)さんです。ちょっと難解なのを買ってしまったようですね。「ブルーイットって、ミンガスのバンドではゴキゲンなのをバリバリ吹いてるゼ」と先輩に教えられました。今度はそっちを聴いてみよう。でもこの20も「元取るぞ!」と思って、何回も聴いているうちに何だかアフリカ風で面白いかな、とも思えて来たんですが...ああ、やっぱりダメだ、バリトンでノイズはさすがにキツイ(笑)。





あやしい目つきのブルーイットさん
バリトンの抱え方に「愛」は感じるが...




'The Popular
Duke Ellington'
(BVCJ-7342 Victor)
 しまったしまった、これを紹介しなければ。テナーの父がコールマン・ホーキンスならば、バリトンの父はハリー・カーネイ(1910-1974)。ビッグ・バンドの片隅に埋もれていたバリトン・サックスをスウィングの時代にソロ楽器として演奏、陽のあたるものにしたのは彼の功績だったですね。今まで紹介して来たバリトン奏者の多くが、影響を受けたミュージシャンとしてカーネイの名前を挙げています。

 '54年にソロ・アルバムも発表していますが、入手困難なため、ここでは第二回に続き50年間在籍した、デューク・エリントン楽団の代表作を挙げておきましょう。'74年5月にエリントンが亡くなったあと、同年10月に後を追うようにカーネイもこの世を去っている、というのは第二回にも書きましたね。






 マリガン以下16名、ここまで知っていれば十分でしょう。ヴァージル・ゴンザレス、ロニー・ロスなどちょっと気になるところもあるが...ま、いいか。省略。イタリアのカルロ・バニョーリとか、ベルギーだかドイツだかのペ・ゴールドシュミットとか、そういうのも省略。マイナーすぎまっせ!

 さて次は最後のページ。日本のバリトンと、ロックでバリトンです。どうぞニャロメをクリックしてください。




ビャリトンの音
ニャマで聴いてみたいか?
ニャ〜ロメ!




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