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98/04/29 第五回 入魂企画 はじめてのJAZZ 世界一わかりやすいジャズ入門 新入生歓迎企画 トーキョー・ジャズ・スポット Vol.1 |
■ 新宿界隈 ■
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| ■ 大推薦！これぞジャズ喫茶！ 新宿で、いや都内でも有数のお薦め店です。バブル前後のゴタゴタで、老舗のジャズ喫茶が相次いで閉店に追い込まれてしまった今、「まだこんな場所にこんな店があったのか！」と嬉しくなってしまう貴重な存在。 壁一面のアナログLP（プレイされるのもこれが中心）、巨大な音量、チャールス・ミンガス(b)やローランド・カーク(sax)といったちょっと過激なな選曲（さすがは新宿だ）等々、「これだぜ、これがジャズ喫茶だぜ」という感じを守り抜いてくれている。 では怖いところかというとそうではない。店は女性オーナーひとりで切り盛りされ、この人が実にやさしい。気さくに話してくれるし、リクエストにも丁寧に応じてくれる。しかも本格派のエスプレッソ・コーヒーが非常においしい。「サダ・デラ」でジャズを聴き始めた若い人は「初心者ですが、こういう感じのジャズが聴きたい」と正直に言って、色々と教えてもらうといいだろう。 店内は非常に横長な造りで、主に無言で大音量のジャズを聴くカウンター席と、常識的な声でなら話す事も出来るボックス席に分かれている。ひとりで行くならカウンター、二人連れならボックス席というところか？但し「話す事も出来る」といってもカウンター側では真剣に聴いている人もいるので注意。書籍も充実、廃刊になったジャズ雑誌のバックナンバーという貴重なものもある。 コヒー一杯\500、ソフト・ドリンクのお代わりはたったの\200だったと思う。衝撃の価格。いまどき200円でものが買えるとは！涙が出てくる！夜７時から11時までは音量を落としてバーとしても営業、これも魅力がある。 場所はコマ劇場から１分足らずのところ。歌舞伎町のド真ん中で、場所柄風俗店が多い。靖国通り側から行くと、手前が「大人のおもちゃ」...とは言わないのか、最近は。手前が「アダルト・グッズ・ショップ」、ビルの一階もファッション・ヘルスだ。まわりは悪質な客引きがウロウロしているので男性は注意が必要。女性もちょっと行きづらい環境かもしれないが、女性マスターががんばっているのだから是非足を運んで、いや、むしろ女性にこそ行って欲しい（私も店内で若い女性客を見たことがある）。 ...というわけで、もう、ここだけでもいいくらいの大推薦。「サダ・デラ指定ジャズ喫茶」と呼んでしまいたいナルシスです。 |
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| ■ 老舗はまたしても変容中 新宿ならばここはハズせない。'60年代から続く名店、DUGです、と言ってもここは色々変容しているのだ。先に言っておきますが、現在はいわゆるジャズ喫茶としてはあまり機能していません。とりあえず、歴史と概要を。 まず第一期、'60年代に営業していたのは'DIG'という店だったらしい。セロニアス・モンク(p)など、来日大物ジャズ・メンも訪れた伝説の店である。その後一旦閉店、しばらくして過去形の'DUG'となって帰って来た。これが第二期か。 私が印象深いのはその次、第三期ともいうべき'NEW DUG'期である。凄かった。靖国通りに面したビルの地下一階から三階まで、バーあり、喫茶あり、さながら「ジャズのデパート」のといったところ。'NEW DUG'の巨大なネオンは「北の家族」のごとく輝いていた。 ごく最近またしても変容。第四期となる現在は喫茶＆バーの'NEW DUG'と、喫茶＆ライヴの'DUG'の２店となっている。あー、ややこしい。 まずは柳通り、富士銀行裏モアビル４階の'DUG'から。ここはジャズ・バー60%、ジャズ・クラブ30%、そしてジャズ喫茶10%といった感じか。休日日中はジャズ喫茶（但し音は小さめ）、平日の夜はジャズ・バー、土日の夜がライブ主体のジャズ・クラブとなる。なるほど「三毛作」か。なかなか考えた営業形態だな（実はサダナリは「月刊近代食堂」などを買っている「飲食店オタク」でもある）。ただねぇ...休日日中の喫茶タイムは、中位の音量で適当なものがかかっている感が否めず。客席のレイアウトもライヴ用にバラバラと配置されているし、「徹底的に聴いて、どんどん吸収するぞ」というヤル気のあるジャズ・ファンには向かない。レコード係もバイトのおねーちゃんだしね。質問とかもしづらいな。 むしろここは平日晩のバー・タイム、「ジャズ聴きながらイイ酒呑みてぇ」（オシャレなワインバーらしい）と、土日晩のライヴ・タイムに本領を発揮する。このライヴがなかなか練れていてヨイ。原朋直(tp)、木住野佳子(p)、五十嵐一生(tp)といったイキのいい実力派が\2500〜\3000というリーズナブルな価格で観られる。こりゃ安いよ！ 場所もわかりやすいし、入りやすい雰囲気だし、はじめてのライヴをここで、というのもいいだろう。新宿駅からわずか３分。 靖国通り沿い、アドホック隣の'NEW DUG'は「ジャズのかかる喫茶店」といった感じ。音は非常に小さいし、内装や店内の騒がしさも完全にフツーの喫茶店だ。「サダ・デラ」読んで、ジャズ喫茶通って、「ジャズ道」を究めたいと思っている破滅的...いや、求道的な人はここに100回行っても得るものはないかもしれない。しかし、それゆえに便利さもある。日中の喫茶タイム、夜のバー・タイムとも、思い切り喋れるので「友人とジャズについて語りたい」人には絶対のお薦め。おまけとして、「スィング・ジャーナル」と「ジャズ・ライフ」がしっかり読み放題でもある。ちなみにここも新宿駅からせいぜい５〜６分。 注意２点。まずこの'NEW DUG'、土日は時間を問わずとにかく混んでいる。相席になることもあるくらいだ。さらに夜のバー・タイムはエライ高いらしい。私は夜は行ったことがないのだが...報告求む。 しかしDUG２店がこうなってしまった現在、本当に「ナルシス」は貴重な存在ですね。繰り返し申し上げますが、絶対のお薦めです！ |
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| ...ご覧の通り、一口に「ジャズ喫茶」といっても色々なスタイルがあるのです。目的に合わせて、あちこちご利用下さい。さて、新宿だけでだいぶ長くなってしまいました。次頁では渋谷から２店ご紹介。 |
このページは作者・定成寛の個人的感想を記したものです
ナルシス、DUGとは全く関係ありません
