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97/12/07
第三回
バート・バカラックを
愉(たの)しむ
来日記念徹底研究



■ コンサート・レポート/11月26日東京公演全曲リスト ■




1.プロミセス・プロミセス

<ハル・デイヴィッド・メドレー>

2.ドント・メイク・ミー・オーヴァー
3.ウォーク・オン・バイ
4.リーチ・アウト・フォー・ミー
5.ディス・ガイ
6.小さな願い
7.汽車と船と飛行機
8.タルサから24時間
9.ウィッシン・アンド・ホーピン
10.恋のウエイト・リフティング
11.悲しみは鐘の音と共に
12.遠い天国
13.恋よさよなら
14.ボンド・ストリート
15.マイケルへのメッセージ
16.ブルー・オン・ブルー
17.サン・ホセへの道

18.ラヴ・パワー
19.恋するハート

<初期作品メドレー>

20.マジック・モーメンツ(魅惑のひととき)
21.ストーリー・オヴ・マイ・ライフ
22.ザ・ブロブ
23.タワー・オヴ・ストレングス

24.ゴッド・ギヴ・ミー・ア・ストレングス
25.涙でさよなら
26.オン・マイ・オウン
27.ハートライト

<サウンドトラック・メドレー>

28.恋の面影
29.ニューヨーク・シティー・セレナーデ
30.何かいいことないか子猫チャン
31.サークル・ダンス
32.エイプリル・フール
33.雨に濡れても
34.リバティ・バランスを撃った男
35.曲名不明
36.素晴らしき恋人達
37.アルフィー
38.ハウス・イズ・ノット・ホーム

39.愛のハーモニー

<アンコール1回目>

40.遙かなる影
41.愛を求めて(世界は愛を求めている)

<アンコール2回目>

42.雨に濡れても



バート・バカラック (vo,p,key)
デニス・ウイルソン (sax,fl)
ジョン・トーマス (tp)
デイヴィッド・ジョイス (key)
ロブ・シュラック (key,arr)
デイヴィッド・コイ (b)
 デイヴィッド・クレイガー (dr,perc) 

リサ・テイラー (vo)
ドナ・テイラー (vo)
ジョン・ロガーノ (vo)


1997年11月26日
東京国際フォーラム・ホールA


 くやしいのだ。一曲わからん。サントラ・メドレーの35曲目である。テープ録ってたわけじゃないんで、もう永遠のナゾになってしまった。80年代っぽいバラードの曲だったけどね。
 メンバーも聴き書きだからアテになりませんよ。曲目、メンバー共に何か情報をお持ちの方は是非サダナリまで!

邦題が逆にわかりにくいという声もあり。確かに、自分でもわかりにくい(苦笑)。
今回は邦題で統一してしまいました。申し訳ありません。


■ さて、コンサートは...

 年齢無関係、バカラックさん、かっこいいわぁ。全編を通じて、なんとも中途半端な中腰で、あるときは歌いながら、あるときは指揮をしながらピアノを弾くさまに、もう、惚れ惚れとしてしましました。バカラックさんの見どころを挙げると...

 まずは14「ボンド・ストリート」、ステージ中央に置かれたグランド・ピアノに向かっていたと思ったらいきなり振り返り、背中側に置いてあるキーボード(カーツウェルのパフォーマンス・コントローラー)に右手を延ばして、リード・オルガンをゴキゲンなグルーヴで弾きまくる!1曲中で何回もこれをやるもんだから、お客さん大喜びでした。

 歌う歌う!33の「雨に濡れても」で突然ヴォーカルをとり、場内がどよめいていましたが、その後もちょこちょこと歌っていました。演奏スタイルもステキ。最高だったのが37「ハウス・イズ・ノット・ホーム」のエンディングで、例によって中腰で客席に背中を向けながら左手で全体を指揮し、「いよいよ終わるぞ」というところでその態勢のまま鍵盤を見ずに右手だけで、キメのフレーズを♪ぽろろ〜ん、と弾いたのだ。こう書くとなんでもないようだが、実際に観てみるとコレがイカス!同行者と共に思わず「かっこいいィ〜!」と口に出して言ってしまったのだった。

 MCもシャレてたねぇ。「このコンサートにはある特徴があります。それは全ての曲が一人の人間、そこに座っていたピアニストによって書かれたということです」とサラリと言ったり、24「ゴッド・ギヴ・ミー・ア・ストレングス」の前には「エルヴィス・コステロと作って、アカデミー賞にもノミネートされたんだけど、まぁ、ノミネートだけだったけどさ(笑)」とテレながら言ったり。若いし、オシャレ。さすが奥さん若くて、子供幼いだけのことはありますな(?)。つられて何回も笑っちゃいましたよ。

 選曲はご覧の通り、散漫にならないよう「ヒット曲」「初期の曲」「サントラ」とメドレーでまとめられていました。代表曲の95%はカヴァーしていますね。初期の曲をこんなに演るとは思わなかったので、ものすごく嬉しかったです。
 演奏は限りなく−ちょっと驚くくらいに−オリジナル・アレンジに忠実に行われました。管の2人と、キーボードで出すストリングスが大活躍。往年のオーケストラ・サウンドを再現したところに、ジョン・ロガーノのヴォーカルがまたハマる!ちょっと最近お目にかかれない懐かしい声質と発声で、8「タルサから24時間」、34「リバティ・バランスを撃った男」などシビレちゃうほどカッコ良かったです。

 但し、あまりにメドレー化しすぎて「もうちょっと曲数を絞って、一曲をじっくり聴かせたらどうだったのかな」と思ったのも事実。また女性ヴォーカルは、ハスキー系、コケティッシュ系が一人ずつという構成、まぁ「ディオンヌだったらどう歌うのかな」と否応なしに考えてしまうわな。悪いけど。

 26日にご覧になった方いらっしゃいますでしょうか?22「ザ・ブロブ」で奇声を発し、直後のMCでも「ヒューヒュー」言って、ステージのバカラック本人から「右ドアのほうの男性、はいはい、乾杯!」とタシナメられてしまったのは私、サダナリです。まさか演るとは思わなかったんで異常に喜んでしまって(苦笑)...失礼しました、お騒がせしました。
 それからバカラックさん、アンコール2回目の「雨に濡れても」で客席のみんなにも歌って欲しかったようですが、すいません、日本人あんまり英語の歌、歌えません(涙)。

 「今世紀最後のビッグ・チャンス」なんて言わないで、しばらくしたらまた見たいぞ!今度はちょっと趣向を変えて、コステロと一緒、かな?

 スタートは19:10、終了は20:45ごろ。1時間35分も演ったのに、ここまで「あっと言う間」だったコンサートも珍しいな。終演後、国際フォーラムから丸の内側に出ると、おりからのにわか雨が...。当然、傘はささないで歩きました。おしまい。


今回のチラシ。東京公演は11/25、26の2日間。
プログラムがなかったので「せめてこれでも」と
持ち帰る観客多数。
プログラムくらい作れ!テレビ朝日!

観客はまさに老若男女
8000円の一階S席は7割、6000円の一階A席は満員。
その間に「38度線」のような空席の「非干渉ベルト」が出来て
ちょっと異様でした。

ちなみに国際フォーラムって
めちゃくちゃ音がいいのだ!






■ おわりにひとこと

 気がついたら、私は、バカラック・ファンでした。本を買って研究したり、集中的にCDを買い集めたり、ファンクラブで情報交換したり、一切やっていないんですよ。ただ「お、面白そうなCDが出たな」、「ああ、この曲懐かしいなぁ」とちょっとずつちょっとずつ買い集めて、気がついたらあのコレクション。自分でも驚きました。

 でもそういう形の音楽の聴き方って、とっても自然な、生活に染みついている感じがしますね。そう、私はバカラックとともに歳を取って来たのかもしれません。「バッカラックだね」とつまらないシャレのネタにしてからもうじき30年。こんなに長い間、見続け、聴き続けてきたアーティストは他には絶対にいないでしょう。

 みなさんも、聴いています。だたそれが「バカラックである」と気がついていないだけですよ。たった一枚で結構です。ディオンヌのバカラック集でも買ってみて下さい。それが壮大なバカラックの世界の扉となるかもしれません。それでは。
 




■ バカラック・リンク ■


■ A&M's Home Page
日本で唯一、Yahooで「バカラック」と入力すると出てくるサイト。実はTV番組『ハンマープライス』で「3人目のカーペンターズになれる権」を落札したあの人のページなのだ!ポップス・ファン必見!


■ The Hitmaker Archive
スウェーデンのバカラック・マニヤ、Stefanが作ったバカラック・カバー・アーティストの検索ページ。世界中のアーティストを網羅し、その数なんと700組以上。更に日々増え続けている。実は不肖サダナリも日本特派員(?)を務めさせていただいています。ある日とつぜん、Stefanの方からコンタクトしてきたのだ、驚いたよ。I'll be mailing you soon, Stefan !


■ A House Is Not A Homepage
アメリカのバカラック・ページ。プロフィール、ディスコグラフィ等、よくまとまっています。





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