川 島 雄 三 図 書 館



三文役者あなあきい伝

殿山泰司


平成7年1月24日文庫初版
ちくま文庫 \660


 松竹、日活時代の数々の川島作品に出演、川島の飲み仲間でもあった"タイチャン"が残した名著。12章にそれぞれタイチャンが出演した邦画名作の題名が用いられ、当時の思い出がある時は哀愁を帯びて、ある時は抱腹絶倒に記してある。
 川島については「追跡者」の章で松竹時代が、「わが町」の章で日活時代が詳細に書かれている。「川島監督が好きだったんだ。その人間が好きだったんだ/理由なんかどうでもいい」と文章中で絶叫するタイチャンの名文には本当に引き込まれる。自らが接した川島像、映画監督達から自ら収集した談話など、貴重な逸話が続出、昭和20〜30年代の日本映画の現場も手に取るように判る。購入は容易なので、是非、ご一読を!。






監督・川島雄三傳 川島雄三図書館蔵書目録に戻る