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98/04/29
第五回
入魂企画
はじめてのJAZZ
世界一わかりやすいジャズ入門
新入生歓迎企画
トーキョー・ジャズ・スポット Vol.1







■ 東京の難所、堅苦しいところかと思いきや...

 私もちょっとビビってました。南青山の高級住宅街のど真ん中に位置し、なんでも辿り着くのが大変らしい。最初はみんな迷ってしまうらしい。なにやら高級そうな店名に「京子ママ」なる人物の存在...。ちょっと近寄りがたいものを感じていたのですが、ジャズを聴きたい気持ちには変えられない。住所をしっかり確認して行ってみると...意外にアットホームでいいところでした。値段も手頃。お薦めです!


■ 場所はしっかりこれを読んで

 場所は地図よりも言葉で覚えた方が確実でしょう。まずは先程のブルノートを通り過ぎて、骨董通りを更に進みます。右手に「Hunting World」のショップが見えたらその角を右折、暗い路地に入ったら数十メートルで今度は左折、この逆ト字路の目印は右手にある「ビリケン商会」という雑貨屋です。しばらく進むと今度は右手に「Sans Souci」という高級靴店があるのでその角(駐車場になっている)を右折、ここまで来ると目指す「BODY & SOUL」のネオンが見えて来るでしょう。お店はメゾン風の建物の地下一階です。
 おさらい。目印は「Hunting World」「ビリケン商会」「Sans Souci」、いずれかで間違えると住宅街の中をぐるぐると廻る羽目になってしまいますのでご注意下さい。骨董通りから「右折、左折、右折」です。「ビリケン商会」の前を左折すると、もう完全に住宅街になり「本当にここでいいのかな?」と不安になるかもしれませんが、大丈夫、次の目印「Sans Souci」まで黙々と歩いて下さい。
 最寄り駅はやはり地下鉄表参道駅、下車10分ってところでしょうか。え?「なんでそんなに丁寧なんだ」だって?そりゃアナタ、サダナリも最初迷ったからですよ(笑)。

 店内は意外な広さに驚きます。ちょっと大きめのレストランという感じ。フロアの中心部、本来ならテーブル席のあるようなところにどーんとピアノやドラムセットが置いてある。特にステージ風に高くはなっていません。バンド正面の席に陣取ると、テーブルの直前数十センチのところで演奏することになります。数あるジャズ・クラブの中でもここの一体感はちょっと凄いですね。
 場内は照明がいい雰囲気を出しています。スポットを多用、妖しいといえば妖しいが、ジンなどを飲みつつスタートを待って、スポットを頼りに文庫本などを読んでいると...これが最高なんだよなぁ!本当に落ち着きますよ。


■ 評判は極めてヨシ、カラーもユニーク

 歴史のあるお店なんだそうです。「BODY & SOUL」の名で新宿に開店したのが1974年、その後六本木、北青山と移転し現在の南青山に落ち着きました。実に20数年、4店舗目ということになりますね。

 ここの評判は徹底的にイイ。店の造りやサウンド、ラインナップに始まり、オーナーの人柄に至るまで、聴こえてくるのは良い話ばかり。確かに私も実際に足を運んでみて「なるほど、この店のことを悪く言う人はいないな」と実感しました。店の造りが素晴らしいのは前述の通り、怖い人かと思っていた「京子ママ」も、シックなファションでテキパキとサーブしているし(店のはじっこでニラミをきかせているような人かと思っていた、失礼!)、そして若い店員がイイ。それこそオーナーの人柄が反映されているのかもしれないけれど、教育がしっかり行き届いていて実に気持ち良かった。
 はきはきとした受け答えに、超美人の女性バーテンダー、なんとなく話しかけると気さくに応えてくれたりして、場所と店構えからは想像も付かないアットホームさにはかなり驚きました。客層はカタナカ職業の業界人ばかり...ということは全くなくて、フツーのサラリーマンが多いです。

 ラインナップは日本の若手、中堅、ヴェテランを見事にカヴァーしています。道に迷いつつも私が通っている理由はラテン・ジャズ・セッションが多いからです。大御所、向井滋春(tb)に始まり、城戸夕果(fl)、ウィリー・ナガサキ(prec)、横山達治(perc)、寺井尚子(vln)、等々。「ラテン聴くならここに行け」という感じもします。もちろんラテンに限らず、メインストリーム・ジャズも多し。さらには女性ヴォーカルの登竜門的な役割も果たしています。
 そして注目すべきは−残念ながら私は出会ったことはないのですが−メインのステージを終えた来日ジャズ・メンがぶらりと立ち寄って、深夜にセッションを繰り広げる「アフター・アワーズ」です。先日あるジャズ喫茶のマスターと話していたら「最近は契約関係が厳しくて、アフター・アワーズ演らないんだよねぇ」と言っていたけれど、ここでは今でも演っているらしい。本当なんでしょうか?ご覧になった方いらっしゃいますか?情報求む!


■ ちょっと遅めの大人のタイム・テーブル

 開店は7時、演奏開始は8時30分とかなり遅い。アーティストによっては9時ごろに始める人もいる。ゆえに10時前後に1st setが終わるとぞろぞろと会計をする人達が出て来ます。ちょっともったいないですが、演奏中に帰るよりはいいかな。
 早くて10時30分ごろ、遅いと11時近くから2nd setとなり、これが終わるのは12時前後。お店自体はこれからしばらく開いているけど、東京の南ハジに住んでいるサダナリはここで帰って丁度終電。しかしそう考えると、郊外の人にはちょっとキツイタイム・テーブルかもしれませんね。

 システムについて、といっても別に難しいことなんてなにもないです。観たい時にふらりと立ち寄って、観て、帰るだけ。会計は最後に行います。席は単純な早いもの勝ち、広い店内からご自由にお選び下さい。一人で行くとカウンター席になりますが、これがバンドの真っ正面。ここも悪くないですね。いいねぇ、シンプルで、気楽で(笑)。
 但し、週末と大物アーティストが重なったりした場合は広い店内に立ち見が出る程の混雑になることもあります。複数人で行くのなら予約をしておくのもテかもしれません。


■ 最後に気になるご予算は

 前述の某所に比べて、いきなり、チャージが半額以下(笑)、\3500です。いいですねぇ、こうこなくっちゃ。ドリンクは\1000前後、フードは\1000台。飲んでつまんで\5000〜\6000というところでしょうか。ちょっとした食事をしても\7000〜\8000ですから、場所柄デートなどにも使えるのではないでしょうか。学生が払えるギリギリ上限か?
 彼女からの質問「こういうところ、良く来るの?」に対する答えはただひとつ、「たまに、ね」でキマリです。初めてでも「たまにね」。そのためには道順を覚えなくては...。「たまに」が迷っちゃおかしいですから(笑)。


■ まとめ

 非日常性というんでしょうか、南青山界隈にたまに無性に行きたくなります。学生のころは紀伊国屋でワニやダチョウの肉を見て(不思議とゲテモノの肉が揃っていたのだ)、伝説のレコード・ショップ「パイド・パイパー・ハウス」で輸入盤をチェック、はす向いの嶋田洋書でインテリアの雑誌を買って、スパイラル・カフェで当時珍しかったカフェ・ミット・ムル(ラム入りコーヒーを飲む)なんて、ちょっと頑張った感じの(笑)楽しみがあったんだけど...。バブル前後のゴタゴタでいくつかの店はなくなってしまったけれど、「BODY & SOUL」に行く時はあの頃のちょっと気取った感じを思い出すな。

 都内でも独特の空気の漂うところです。少なくともウチの近所の戸越銀座商店街とはかなり違う(笑)。仕事の帰りにひとりで立ち寄るもよし、恋人と二人で週末に訪れるもよし。街の空気と、ジャズのビートをタップリと味わって下さい。しかしそれでも、店自体はとてもリラックスさせてくれるところだというのが、いいねぇ(笑)。





map & data

■ 営業は月曜〜土曜、日曜定休
■ 営業時間 7:00p.m.〜
■ 1st set 8:30p.m.〜 2nd set 10:30p.m.〜
但し時間はかなり変動する
■ Music Charge \3500〜+1Drink order
■ 予算\5000〜、シックかつアットホーム






もう一軒、いい場所でキメてみましょうか。今度は六本木です。
しかもちょっと凝ってるのだ。




六本木ですか
レレレのレ
次はちょっとオドロキますよ




ジャズ・マナーその2・ジャズ特有の掛け声アリ
 へんてこな掛け声が2つあるな。ひとつが「イヤァー」。「イヤアァァー」という感じでちょっとのばす。これはソロが佳境に入った時に掛ける、まぁ応援みたいなもんだ。これはアメリカの古いライヴ盤にも入っている。
 そしてもうひとつが「いい」。ソロで頑張ったメンバーを曲の最後に紹介するんだけど、その時に「いい」。まさに平仮名書きの「いい」という感じで発音する。「」にアクセント、かな。こりゃ日本だけじゃないか?
 いずれもロックではやらないが、ジャズではポピュラー。というかロックでやったらちょっと恥ずかしい(笑)。必ずいますよ、「いいおやじ」が。あ、自分のことか(笑)。


このページは作者・定成寛の個人的感想を記したものです
ボディー・アンド・ソウルとは全く関係ありません




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