97/12/13-12/25 期間限定 A CHRISTMAS GIFT FOR YOU From Sadanari Deluxe ロックファンの正しいクリスマス |
A CHRISTAMAS
GIFT FOR YOU FROM PHIL SPECTOR Darlen Love The Ronettes Bob B.Soxx And The Blue Jeans The Crystals ...and Phil Spector (1963/1989 D2-4005 abkco) |
■ 音楽の季節・クリスマスがやって来た! ようこそクリスマス限定ページへ!突然のフルカラーで驚いたでしょう。なんたってクリスマスなんですから、いつもは地味な「サダ・デラ」もちょっとにぎやかにしてみました。 それにしても楽しいシーズンですね。街を歩いていても、ラジオを聴いていても、とにかくウキウキしてしまう。それはきっと音楽のおかげなのではないでしょうか。一年を通じてこんなに世の中に音楽が溢れる時期は他にはちょっとないのでは?まさにクリスマスは「音楽の季節」と言えるでしょう。 初めてのクリスマスを迎えた「サダ・デラ」から、みなさんに慎ましく音楽の贈り物を、と言っても私に出来ることは、いつもの様に音楽をお薦めすることだけですが(CDプレゼントではありません。ごめんなさい)。 |
■ 究極のクリスマス・アルバムはこれだ! とにかくこれです。通称『フィル・スペクターのクリスマス』、定番中の定番、一家に一枚でしょう!フィル・スペクターの名前は御存知ですか?まずはロック史上最高の天才プロデューサーにして、最高の奇人、フィル・スペクターを手短かにご紹介。 セルフ・プロデュース作品を全米1位に送り込んだのがなんと18歳のとき。数年間のソング・ライター期を経て、60年代の中盤にプロデューサーとして大爆発。60年代ポップスの代表曲ともいえるザ・ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」('63)をつくり出したのが、彼、スペクターです。みなさんが親しんでいる、あの音数が多くてエコーの深い独特のサウンド−「ウォール・オヴ・サウンド」と言われています−を生み出したのもスペクターでした。 そのサウンド・メイクは革命的かつ偏執的。編曲、オーケストレイション、イコライジング、ミキシング、エコー処理、果てはジャケット・デザインに至るまで、全てを徹底的にコントロールする。今日のロック・サウンドとロック・ビジネスの基礎をたったひとりでつくり上げた偉大な人間でもあります。 異常なまでのこわだわりで「スタジオに置く灰皿のデザインまでも指示した」という逸話も残っています、が、立派じゃないか!私は「奇人」とは思わないぞ。実はこのホームページ、スタート時の密かなスローガンが「インターネットでフィル・スペクターする」でした。文章もデザインもイラストも写真も、全てひとりでコントロールして、絶対に納得の行くまでこだわり続ける。モノづくりの「基本姿勢」だと思うんだけど...俺も「奇人」なのかな? しかし、もう、天国のようなアルバムだ。ただでもゴージャズなスペクター・サウンドによる、夢のクリスマス・ソング集。メンバーの殆どがR&Bテイストの黒人シンガーで、ヴォーカルのパンチも最高。オープニング「ホワイト・クリスマス」(ダーレン・ラヴ)の歌い出しからノックアウト間違いなしでしょう。 どんどん良くなるぞぉ、捨て曲ゼロだ(スペクターがそんなモノ許すわけナイ)。ボビー・ソックスの「ザ・ベルズ・オヴ・セント・メリー」で泣かせて、クリスタルズの「サンタが街にやって来た」がこれまた、たまらん!セリフ、怒濤のオープニング、サビのシャウト。スペクターの天才さが溢れ出しているな。でも究極はロネッツの「サンタがママにキスをした」かなぁ。ソウルフルなヴォーカルに流麗なストリングス...この曲の間奏のストリングスを聴くと「これぞポップスのあるべき姿だ」などと考えてしまうのですが。 そして最後を飾るのが「きよしこの夜」に乗せ” Hello , This is Phil Spector.”で始まるご本人のご挨拶。このへんが「奇人」と言われてしまうところかもしれませんが(笑)。おおまかに訳すと... |
This is Phil Spector (from CD's inner) |
こんにちは、フィル・スペクターです あなたがたった今聴いた、このアルバムに対する 私の気持ちを言葉で表現するのはとても難しいです このアルバムは何カ月もの月日を費やして つくられました まずなによりも、制作に携わった誰もが 本当に大変な仕事をこなしてくれたということを 申し上げておきましょう おかげで私の愛するクリスマス・ソングの数々を 新しいサウンドで送り出すことが出来ました 私のクリスマスと音楽に対する愛情を 表現する機会が持てたのです みんさんの最高のクリスマスをお祈りしています そして素晴らしい新年をお迎え下さい このクリスマスを 私達と一緒に過ごしてくれて 本当にありがとう |
インナー写真で自らサンタの格好して、しかもヒゲには提唱し続けた「モノラルへ帰れ〜Back
to MONO」のバッヂ。メッセージにも愛がこもっているし、「奇人」じゃないよぉ、おちゃめで「いいひと」じゃないか。確かにちょっと目つきがアブナイけどね(笑)。 30代にして音楽業界からスッパリと足を洗い、ビバリー・ヒルズの豪邸で隠遁生活を始めたというスペクター。今年のクリスマスは一体何をやっているのやら(と、いいつつ自作のCD化では当然の如く自らミキシング&リマスタリングを行っているのだった。そりゃスペクターの目の黒いウチは他人のミキシングなんて許すワケがないわな)。 ちなみに彼のサウンド&プロデュースは「幸せな結末」で復活した大瀧詠一氏が、キャラクターは小西康陽氏がそれぞれ受け継いでいるような気もします。ひとりでひっそりと暮らしているという「生ける伝説」スペクターの耳に、彼らのサウンドは届いているのでしょうか? |
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まいったな、スペクターのメッセージ、とうてい超えられないや。ちょっと似てしまうけど、私からもメリー・クリスマス。このクリスマスを、ここでお薦めした音楽で過ごしてくれるならば、私は最高に幸せです。 これが多分、今年最後の更新になります。数カ月間のご愛顧本当にありがとうございました。次回更新は98年1月1日の予定です。素晴らしい新年をお迎え下さい。 |
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うら若き女性がやっているというから、これまた驚き